ちなみに、この夏葉ちゃんの京へのダル絡みは、最近グループ内でお決まりのノリになりつつあった。
特にこれといったきっかけがあったわけではないけれど、おそらく接点が増えるにつれ、京のノリの良さや会話IQが夏葉様のセンサーに引っかかったのだろう。
最初は軽いジャブ程度だったのが、最近になってどんどんエスカレートしてきて、今この有様である。
「ねーえーなんで無視すんの京ちゃーん」
「え、俺だったの?敬語使ってくんないと分かんないって」
「またまた〜可愛い後輩ちゃんにタメ語で絡まれて嬉しいくせに♡」
「あ、いいえ」
辛辣!!とご満悦で爆笑する夏葉様をよそに、京は視線をこちらにスライドさせ、口パクで『ダルい』とがっつり不満を訴えてくる。
ごめんけど同情はできない。言っておくけど、あなた同じようなことずーっと私にやってきてるからね?この機会にこちら側の精神疲労を体験して、少しは自制できるようになりなさい。
そんな私の冷たい視線を前に、助け舟は諦めたらしく、京は自力で撤退を図る。
「ちょっとなんかうるさい人いるから俺もう行くね」
悪ノリモンスター長谷川夏葉を前にしては、さすがの京も戦略的撤退を選ぶらしかった。これをウザがらせる夏葉ちゃん、改めて強者すぎる……。
これから京に絡まれたくない時は夏葉ちゃんと一緒にいたらいいのでは?と最強攻略法を思いつきかけた、その瞬間。
