さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



……ピアスといえば、夏葉ちゃんは耳はもちろんリップピアスとへそピ開けてるって言ってたし、九条霞は舌に開いてるのを最近発見した。普通に痛そうで怖すぎる。私って半グレ集団に所属してるんだっけ……?

と、そんなふうに思考をぐるぐる回していた私の向かい側で、少し不機嫌そうに口を開いたのは明頼。


「てか今日なんで一人なんだよ。ゴミは?」

「寝坊して遅刻するってさ」


ゴミ?

もはや原型すらない霞のあだ名に戸惑う私を置いて、会話は続く。


「じゃあお前も帰れよ。俺様の極楽浄土ハーレムに何しに来たんだよ」

「ん?可愛い後輩の顔見に来た」


言いながら、京は私の頭を撫でてくる。入学式から変わらず、彼の距離感バグは健在だ。

ただでさえ京は最近ちょっと目立ってるのに……もう少し慎んでくれないかな?と抗議しかけた、その瞬間。

今まで無言でアイメイクに勤しんでいた夏葉ちゃんが手を止め、きゅるん♡と完璧アイドルスマイルをキメてきた。


「やだ照れる♡今日も爆イケだねダーリン♡」

「だってよ、明頼」

「ポニテがマブいぜマイハニー♡」

「今粘膜描いてるから喋りかけんな」

「塩対応あざすッッ!!」


何故か流れ弾を食らい血を吐く明頼。それでもむしろ幸せそうなので彼にとっては役得なのだろう。