「なーに食ってんの」
ぽん、と背後から頭に手を乗せられる。
ゆるい口調。甘ったるい声。ふわりと漂う洒落た香水。
顔を上げると──
例によって峰間京が、薄い微笑みを浮かべてこちらを見下ろしていた。
「……ほしい?」
「うん」
即答。
いや、私もちょうど食事が喉を通らなくなってたから別にいいんだけどさ。
私がパンをちぎって手渡そうとすると、京は身を屈め、口でぱくっと直接持っていった。一瞬指まで食べられた気がしたけど……?
……まあいいや。そんなことはさておいて、今日の京はなんだかいつもと少し雰囲気が違う気がする。
珍しくブレザーを羽織っているせいかな?さっきから太陽が出てなくて少し寒いもんね。
なんとなく優等生っぽい……と一瞬思ったけれど、緩すぎるネクタイ、耳元に揺れるピアスのせいで普通にチャラさが勝っている。
