とはいえ、沸点の低い霞の辞書にスルースキルという言葉が載っているわけもなく。
峰間京の挑発にすぐ乗ってしまうせいで、毒舌合戦は永遠に終わらない。
ギャーギャーとひたすら何かを言い合い続ける彼らを前に、私は張り詰めていた戦闘モードをそっと解除した。
この問題児二人の間に入って巻き込まれ事故に遭うのは死んでもお断りだ。
……にしても峰間京って、命知らずなのか勇敢なのか。
超巨大極道組織をバックにつけた霞様相手に、ニコニコ笑いながら地雷原をスキップしていくその姿には、もはや呆れを通り越して感心すら覚えてしまう。
自分で起こした大爆発を鑑賞し楽しそうなのは結構だけど、その爆発に巻き込まれて死ぬ覚悟はできているのかな。
指詰められても東京湾に沈められても自業自得だから、同情してあげないよ……。
そう心の中で釘を刺しつつ、私はフルーツオレのパックを片手に、気配を消して戦線離脱するのだった。
