さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



──ここで雑魚だと思われてはいけない。


そう思った私は、できるだけ毅然とした態度を保ち、顎を上げて霞を睨み返した。


「別に先輩のものじゃないでしょ」

「お前のでもねぇよ」

「なんで茉白ちゃんじゃなきゃいけないんですか?」

「え?胸デケェから」

「それはそうね」


しれっと同意する峰間京に呆れて演技スイッチが切れそうになる。あなた何しに来たんですかホントに。

と、気が抜けてしまったところを突かれて、今度は霞にグイグイと詰め寄られる。


「お前も今は騎士様ごっこに励んでるみたいだけどさ、結局腹ん中じゃ同じこと思ってんだろ?」

「は?違っ……」

「あ、ほら赤くなった。やっぱそうだよな、白々しいんだよお前」


あけすけな話題を振られてカッとなったのを図星と捉えられ、勝ち誇ったように笑われてイラッとしてしまう。

煽るつもりだったのに、逆に煽られてどうするんだ。

なんとか自分を落ち着かせようと視線を落とすと、それを降参と捉えたのか、余裕綽々でポンと頭に手を乗せてくる霞。