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──ドンッ!!
校舎裏に走る、骨まで響くような衝撃音。
その正体は──
霞の長い脚が、逃げ場を断つように背後の壁を蹴りつけた音だった。
壁ドンならぬ足ドン状態で、至近距離には恐ろしいほどに目麗しい顔立ち。
今にも圧殺されそうな激詰め体勢の中、耳元にドスの効いた低音ボイスが落とされる。
「単刀直入に言う。
──天羽茉白から手を引け」
「らしいでーす」
二次元の世界でしか聞かないようなコテコテの脅し文句、そしてなぜか当然のように霞の背後でスマホをいじっている峰間京。初手からツッコミどころ満載の展開だ。
待って、まず京はいつの間に霞と接触して仲良くなったの?同じ学年とはいえ、野郎大嫌いの俺様霞様を口説き落とすのが早すぎる。さすがにコミュ力おばけすぎない……?
と、一瞬意識は逸れかけたものの、曲がりなりにも霞は極道の御曹司。
焼きの入れ方は心得ているらしく、そのカリスマ的な威圧感は本物で、不覚にも少し気圧されそうになる。
