茉白ちゃん、もとから利発そうな子だなとは思っていたけれど……今の言葉を聞くに、思っていた数倍は鋭そう。
さっきのは、単なる気遣いなんかじゃない。
ちゃんと、私の振る舞いを観察して、芸能界での男性経験と照らし合わせ、根拠を持って確信してる。
違和感を悟られないようにできるだけ自然に関わっていたつもりなのに……これからも意図を隠して接し続けるのは、思ったより厳しいのかもしれないな。
と、一人危機感を抱く私の横で。
「なんだよ、クッソつまんないのー」
ゴシップ大好きの夏葉ちゃんはあからさまにテンションを下げ、机に片頬をつけてジトッとこちらを見上げてきた。
「お前さぁ、完璧すぎてなんかヤダ。もうちょっとワルになった方がモテるよ〜?」
「これ以上モテたくない……」
「うん黙れ」
ガバッと勢いよく上体を起こすなり、ニコニコ笑顔のまま私の胸ぐらを引っ掴んでボタンを外し始める夏葉ちゃん。
「まず普通にボタン閉めすぎ。もっと開けなさいよあのなんかいつも一緒にいるmellowな先輩見習って」
「発音良」
「これでヨシ♡あってか見てこれ。JKなったから穴ぼこ開けたのリップサイド可愛くね?」
ギャルトークの特徴、話題転換が早すぎる。
私は強引に第二ボタンまで開けられた胸元を押さえつつ、苦笑いで聞いた。
