でも、だからってムキになっても、それこそ図星みたいになるし……一体どう返すのが正解?
いっそもう二人には本当のことを話しておくべきかな?でもそれで打算で仲良くしてたって思われるのもなぁ……。
思考の泥沼にはまり、何も言えなくなる。
そんな私に助け舟を出してくれたのは──意外にも、茉白ちゃん本人だった。
「千歳は、霞先輩から私を守ってくれてるだけだと思うよ」
静かに落とされたその言葉に、私は息を呑む。
……私が焦っていたのを察して、気を遣ってくれたんだろうか。
優しいな……と少しほっこりするのと同時に、こんなに優しい子を裏で作戦のために利用してるのか、という罪悪感も同時に湧いてきて。
なんだか複雑な心境になる私をよそに、ブランド物の鏡を覗き込みピンク色のグロスを塗り直しながら、さらりと続ける茉白ちゃん。
「別に千歳がグイグイ来るの、霞先輩の前だけだし。……下心の有無くらい目見れば分かるよ」
グロスのスパチュラを容器に収めながら、ニコッと優しく微笑みかけてくる。
そんな彼女を前に、思わず心臓がドキリと跳ねた。
輝かしいビジュアルに圧倒されたから?もちろんそれもある。けれど今の胸の高鳴りは、どちらかというと。
──彼女の洞察力の高さに対する、警戒だ。
