さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



彼の目的が茉白ちゃんを落とすことではなく、私に勝つことにすり替わったら、その時はもうこっちのもの。

意識させまくったところで予想外の一撃を叩き込めば、確実に衝撃は与えられるはずだ。

で、問題は、その一撃をどうするのかってことなんだけど……。


そんな私の思考に被せるように、明頼が口を開く。


「……で、ライバルとして意識させた後、トドメとして──みんなで踊るってこと?」

「……」


結局そこに行き着くのか。

流石に今回は二番煎じだったので誰も乗っかる人はいなくて、全員から白い目で見られる明頼。


「もうそのノリ終わったよアッキー」

「お前ただスイモニ踊りたいだけだろ」

「はっ?!別にスイモニじゃなくてもいいし!なんかサンバとかでも別に……」

「じゃあ明日一人で校門でサンバ踊ってれば?」

「退学なるって!!」

「退学は無いだろ」

「あだ名が鼻血サンバになるだけ」

「怖」

「都市伝説?」

「四時四十四分の鼻血サンバ」

「お分かりいただけただろうか……じゃねーんだよ!!」


なんの話してんの?


お決まりのように脱線しまくる彼らに、果たしてこれから本当に協力してくれるのか不安に思いつつ。

私は一人、今後の九条霞攻略方針を脳内で組み立てていくのだった。