「茉白ちゃんに、絡みまくればいいのかも……??」
ぽつり、と。
思わず唇からこぼれた呟きに、全員の視線がこちらへ集中した。
「……え?」
「恋敵ってなれば、嫌でも意識せざるを得ないでしょ。それなら、まず霞先輩へのアプローチより先に、同じ女の子を狙うライバルとして、存在を意識してもらうとこから始めればいいんじゃないかな」
好きの反対は無関心、だったら敵意の方がいい。嫌よ嫌よも好きのうちだ。
幸い、私は九条霞の『好きな子』と普通に話せる立場にいる。だとしたら、それを有効活用すれば道が開けるんじゃないか?
そんな私の意図をいち早く汲み取ったのは京だった。
「……なるほどね、いいんじゃない?多少ウザがられても無視できない存在になるのって大事だし」
「妙な説得力があるな」
「命狙われない程度にしろよ」
「霞にぶん殴られたら教えて。ポップコーン持って見物しに行くわ」
兎内双子の言葉通り、この作戦はハイリスクだ。
けれど、私の読みでは霞はきっと負けず嫌い。男としてのプライドが高そうだから、権力でどうこうするのではなくムキになって恋愛で勝負を仕掛けてくるはず。
