さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



「待っていいこと思いついたっ!」


……何?

全員の視線が集中する中、明頼は目をキラキラさせ興奮した口調で続ける。


「千歳くん、あいつの前で歌って踊ればいいんだよ!俺も千歳くんのパフォーマンス見て認識180度変わったわけだし!」

「どゆこと?霞と出会い頭に急にスイモニ踊り出すってこと?」

「うん」

「じゃあ俺らもバックダンサーでつこう」

「フラッシュモブやるかぁ」

「いやキチガイでしょ」


何故かその方向で進み始めた会話を慌ててぶった斬る。全員学校での立場なくなるって。それが許されるのはインド映画だけだから。

もうダメだ、また話が脱線し始めた。

思えば、三次審査の時の鷹城葵対策会議もこんな感じで停滞していたな……と一人遠い目になる。

おそらく、この会議ではろくな作戦は出てこないだろう。寮に帰ってから一人で集中して考えるしかない。

幸い、霞は活動休止中で毎日学校に来てくれるみたいだし、猶予は意外とある。

初日からそこまで焦る必要もないよね、と自分に言い聞かせ、もう割り切って、楽しそうな男子たちを眺めることにした。