「離せよ……!」
逃れようと、必死に体を捩る。
けれど、男子高校生相手に力で敵うはずなく、琥珀の腕は力強く私を押さえつけたままびくともしない。
慣れた手つきで私のシャツのボタンを外しながら、目を細める琥珀。
「んで、その後、お前の恥ずかしい画像は匿名でネットにばら撒いてやるよ。お前みたいなの、一部にはめちゃくちゃウケ良さそーだし。稼げるなぁ、また」
私が本当に男だったなら、ここで琥珀に好きにさせていたと思う。彼の行為の証拠を取り、番組側に告発すれば、すぐさま処分されるだろうから。
けど……問題は、私が女であって、それが琥珀にバレたら、絶対に晒されるということ。
「このっ、やめろって!」
「嫌だね」
必死に抵抗しようとするけど、疲労の溜まったこの体じゃろくに動けもしない。
もう、股間に膝蹴りを喰らわすしかない?
鈍い頭でぐるぐると思考を巡らせていた──そのときだった。
突然、誰かの手が琥珀の肩をぐいっと掴み、力任せに引き剥がす。
「……っ?!」
体勢を崩した琥珀。
そして、次の瞬間──
ドンッ!
「がっ──……?!」
琥珀の体が壁に叩きつけられる、鈍い衝撃音が廊下に響いた。
壁がわずかに軋む音まで聞こえて、私はその場に凍りつく。
床に崩れ落ち、呻く琥珀。そのすぐ横に立つシルエットには、見覚えがあった。
「……遥風?」
そう、皆戸遥風だった。
逃れようと、必死に体を捩る。
けれど、男子高校生相手に力で敵うはずなく、琥珀の腕は力強く私を押さえつけたままびくともしない。
慣れた手つきで私のシャツのボタンを外しながら、目を細める琥珀。
「んで、その後、お前の恥ずかしい画像は匿名でネットにばら撒いてやるよ。お前みたいなの、一部にはめちゃくちゃウケ良さそーだし。稼げるなぁ、また」
私が本当に男だったなら、ここで琥珀に好きにさせていたと思う。彼の行為の証拠を取り、番組側に告発すれば、すぐさま処分されるだろうから。
けど……問題は、私が女であって、それが琥珀にバレたら、絶対に晒されるということ。
「このっ、やめろって!」
「嫌だね」
必死に抵抗しようとするけど、疲労の溜まったこの体じゃろくに動けもしない。
もう、股間に膝蹴りを喰らわすしかない?
鈍い頭でぐるぐると思考を巡らせていた──そのときだった。
突然、誰かの手が琥珀の肩をぐいっと掴み、力任せに引き剥がす。
「……っ?!」
体勢を崩した琥珀。
そして、次の瞬間──
ドンッ!
「がっ──……?!」
琥珀の体が壁に叩きつけられる、鈍い衝撃音が廊下に響いた。
壁がわずかに軋む音まで聞こえて、私はその場に凍りつく。
床に崩れ落ち、呻く琥珀。そのすぐ横に立つシルエットには、見覚えがあった。
「……遥風?」
そう、皆戸遥風だった。
