四次審査中、椎木篤彦に酒を飲まされた時以来の大きな殺意が、遅れて沸々と湧き上がってきた。
なんで……なんで私があんな、顔と家柄で全てが許されてきたみたいな傲慢世間知らずお坊ちゃまを攻略しなきゃいけないの?
榛名優羽から逃げるために大事なミッションとはいえ、あれに擦り寄るのはさすがに私のプライドが死ぬ。
あの人と比べれば、鷹城葵の方が頭も良いしコミュニケーションも取れたしで百倍マシだった。鷹城葵の方がマシだと思える日が来るなんても世も末だな。
っていうかそもそも、令和のこの時代にあんな極端な、何らかの法に抵触するレベルの亭主関白が生き残っていたことに驚きを隠せない。
頼むから、世の女性のためにもさっさと更生してくれ──!!
ブレザーをはためかせ、無駄にカッコつけながら遠ざかっていくその背中に向かって。
私と京と明頼は、気づけば同じタイミングで、彼から向けられたハンドサインをそのままお見舞い仕返していたのだった。
