さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



「あのまま見てらんねーだろ!そのうちコイツとつるんでる俺らまで同類扱いされるぞ?!」

「いいじゃん!千歳が困ってるとこ見んの楽しいじゃん!!」

「俺を挟んで言い合うな!うるさいっ!!」

「「お前が一番うるせぇんだよっ!!」」


両サイドからもっともすぎる反撃を受け、小さく縮こまる明頼。

その光景を前に、やはり、明頼を手懐けられるのは兎内双子しかいないな……と改めて思ってしまう。


私だと、どうしても明頼への当たりが甘くなってしまってダメだ。彼はきっと、こうしてゴミみたいに扱われてようやく調和が取れるタイプなんだろう。

明頼管理は任せたよ、なんて心の中でぼんやり思いつつ、完全に他人事で騒がしい三人を眺めていた──

そのときだった。


「……制服可愛いね?」


ビクッ!!!

耳元スレスレで囁かれた低音ボイスに、思いっきり肩が跳ねた。


耳元を押さえつつ、ぎこちない動作で振り返ると、そこに立っていたのは──

やはり、峰間京。


制服のポケットに両手を突っ込みながら、くすくすと心底楽しそうに笑っていた。

ゆるっとオーバーサイズの黒カーディガンを羽織り、シャツのボタンを結構ガッツリ開けている。

そして登校初日にも関わらず安定のピアスバッチバチ……普通の学校だったら即生徒指導だろうな。


彼が学校という公の場であまり暴走しないように言っておかなければと思い、私は咎めるような視線を向ける。