何も言えずに固まる私に、明頼はスッ……とうちわを自分の顔の横に上げてくる。
「この俺が……あんなにあっさりと千歳くんのそばから離れるとでも??」
『千歳くん一生推し』と蛍光色でデカデカと書かれたうちわと共にそんなことを言われ、もはや呆れを通り越して笑えてきてしまう。
……なんなの、それ。そんな変なものを入学式に持ち込むバカがあるか……。
ほんと、頭おかしい、この人。
あんなに騒がしかったのに、何にも言わずにいなくなったと思ったら、普通に復活して、恥ずかしいくらい大暴走してきて。
これでドッキリでもしたつもりなの?普通に腹立ってるからね、私。
どうせまた会うなら最後の挨拶くらいしていけばよかったのに。
明頼今メンタル大丈夫かなとか、これからどうするのかなとか、結構心配してたのに……ウザいくらいピンピンしてるじゃん。
私の悩んでた時間を返してよ。落ちてからも普通に今までみたいに連絡寄越してよ。
それがなかったせいで、私、めちゃくちゃ──
