さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



「ってか、千歳?だっけ。せっかく同い年なんだからタメ語使ってよ〜。距離感じるじゃん」

「あー……うん、分かった」

「ってかむしろうちらが敬語使った方が良くね。千歳くんのおかげでシュガドリのMV再生数爆伸びしたわけだし」

「本当にそう。あのステージ普通に衝撃的だったよね」

「エマプロ見てくれてるの?」

「切り抜きでちょこちょこ流れてくる!遥千ケミ?の動画とか多いよね」

「……多いねー」


内心ちょっと冷や汗をかいた。確かに私と遥風のペアは人気で、ファンの中で一種の固定ケミみたいになっている。

そうなると当然切り抜きも多くなるわけで──

もちろん健全な仲良し動画もあるけれど、それ以上に『遥千はガチ』系の動画が溢れかえっているのだ。


スロー再生や拡大を多用して、どれだけ些細なスキンシップも逃さない。

そんな執念すら感じる緻密な映像たちが脳裏に次々と再生され、私は思わず表情を引き攣らせる。


あれがこの子たちの目に入ってるかもしれないと考えると、かなり気まずい。BL野郎だと思われてそうで怖いな……。

と、また一人で縮こまってしまう私をよそに、茉白ちゃんが何か思い出したように顔を上げた。