さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



「間違ってたらごめんなんだけど、うちらの曲踊ってくれてた子だよね。エマプロでさ」


その言葉に、一瞬思考停止した。

うちらの曲……?

私、女性アイドルの曲なんて踊った記憶ないけどな……。

スイモニ以外…………。

…………。


「『Sweet×Harmony』の子……っ?!」


思わず声が裏返りかけた。

そうだ思い出した。っていうか、逆になんですぐ思い出せなかったんだろう。一次審査準備期間の三日間、四六時中研究してお手本にして練習していたっていうのに。

めちゃくちゃ同じ事務所の先輩で席も前後なのに全く気づかずろくに挨拶もしなかった、クソ野郎になっちゃうじゃん……!!


一瞬にしてパニックに陥る私を前に、「気づかれてなかったのヤバい」と楽しそうにケタケタ笑うギャル。

「私たちシュガドリの頃からまあまあ顔いじったしね〜」と初対面にしてはぶっ込みすぎのフォローを入れてくる垂れ目の子。ツッコんでいいのかそれは……。


距離感を測りかね何も言えない私をよそに、彼女たちは笑いながら自己紹介をしてくる。