さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



「おいお前ら喜べ!!今新入生にめっちゃ可愛い子いたぞッ!!!!」

「はぁ?なんだ急に」

「そりゃそうだろ、芸能人とかいるんだからこの学校」


冷めた反応の友達にもどかしく思いつつ、彼はなんとかして彼女の魅力を伝えようと試みる。


「いやガチガチガチ冗談抜きで芸能人でもレベチ!!髪型ショートで、目きゅるっきゅるで、めっっっちゃ顔ちっちゃくて」


もうね、こんくらい!!と両手で顔の大きさを表現しながら、力説する彼。

それを前に、友達集団が何かを察したように、「あー……」と顔を見合わせた。


「……お前、エマプロ見てないんだっけ」

「何それ?見てねーよ。リーグ戦と合宿で忙しかったもん」

「だよな」


一拍、沈黙。

誰が言う?と探り合うような間のあと、仲間の一人が、言いづらそうに告げた。


「その子、多分ね……男だよ」

「……」


オトコダヨ……

オトコダヨ……

オトコだよ……


男だよ。


「…………男ぉぉぉおおおおおおお?!?!」


絶望の大絶叫が、春の校門前に野太く響き渡ったのだった。