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──薄暗い部屋。
窓のカーテンは閉め切られ、青紫の間接照明だけがぼんやりと現実感の薄い光を灯す。
ベッドの上、微かに揺れる掛け布団。その端から、スマホの青白い光が漏れていた。
画面を見つめるのは、十代半ば頃の少年。
気品のある、麗しい顔立ち──けれど、その瞳はどこか退屈そうだった。
煙草のスモークのように淡く紫がかった灰色の髪が、さら……と虚な表情に影を落とす。
彼の見つめる画面には、芸能人と思わしき女性とのメッセージのやり取り。
『土曜しーちゃんとそっち行くよ』
『また三人で遊ぼー♡』
片手で器用にスマホを操作しながら、適当に返事を送信。
既読がつく。
すぐに返信が来る。
また返事を送信。
単調な作業の繰り返し。そんな中で、布団の中からくぐもった声がした。
「ねぇ〜……」
彼は答えない。
痺れを切らしたように、布団が揺れて、頬を紅潮させた女が顔を出す。
「ねぇってば、霞。集中してる?」
不満げな表情で、『霞』を見上げる彼女。彼は依然として長いまつ毛を伏せたまま、画面から目を離さない。
