問題は、ここからどうするかだ。
このままだと、琴乃もろとも裏社会に葬り去られお先真っ暗ルートに突入することになる。
今度こそ、冗談じゃなくタダ働き風俗嬢になる可能性だってあるのだ。なんとかして逃げ出さなければ。
と、焦り始める私に、天馬は淡々としたトーンで続ける。
「……俺がエマに所属してる現状じゃ、もし逆らっても事務所ごと潰されて終わりだ。アイドル生命を断つか、榛名優羽に利用されてる子を助けるか。板挟みになっちゃったせいで、あんまり表立って動けなくて、救えたはずの子をたくさん見殺しにしてきた」
落ち着いた口調。けれどその裏に微かに滲む、自分を責めるような色。
……救える範囲の人には手を差し伸べたい、という彼の気持ちは、すごく分かる。私もそう思ってしまう人間だから。
けれど、今回の件はきっと天馬が自分を責める必要はない。
だって、もし自分が下手な行動をしたら最後、事務所の仲間たちまで巻き込んで潰れることになるんだから。
敵は榛名優羽個人ではなく、圧倒的な資金力と情報統制力と武力を持つ組織全体だ。軽率な行動をしなかった天馬の判断は、むしろ正解だと思う。
だからこそ。
