衝撃を通り越して、もはや笑えてきてしまう。
榛名優羽って殺人鬼か何かなんですか?私と琴乃、もうすぐ殺されたりする?それとも水商売に沈められるとか?
脳内に展開される数々の最悪のシナリオに、何も言えずに俯くしかできない。そんな私を安心させるみたいに、京が無言で肩を抱いてきた。
「あいつさ、いつもどっかの裏ルートから顔の整った女の子を急に養子に迎えるんだよ。でも、何ヶ月か過ぎたあたりで、みんな急に家からいなくなる。音信不通になって、戸籍さえ辿れなくなってる。……おかしいだろ?」
続く天馬の言葉に、さぁっと全身の血が足元に落ちていくみたいだった。
榛名優羽が危険だとは前々から分かっていたけれど、いざそういった実例を出されてしまうと、やはり絶望感は段違い。
しかも今回の場合は私だけじゃなくて、琴乃まで巻き込まれてしまうかもしれない事態だ。考えれば考えるほど冷静な思考に戻れなくなり、ただ自分の動悸が早まっていくのを聞くことしかできない。
と、そんな私の横で、京が苛立ちを隠そうともせず呟く。
「……それ、絶対裏で売ってんでしょ」
「ああ。おおかた、上の人間に売ったりして、自分の昇進のための駒にしてんだろ。ってかそもそも、あんな若さで組織のトップに上り詰めてる時点で、正攻法を使ってるわけがない」
忌まわしげに吐き捨てる天馬に、京もチッと軽く舌打ちした。
自らも大人から値踏みされた過去を持つ京にとって、この話は決して聞き逃せるものではないんだろう。
全く、清架といい睦といい優羽といい、自身の欲望のために子どもを商品として扱う大人たちがこれだけ多いのだということに、気持ちが悪くなってくる。
