「なんのために?」
「仕事の手伝い。泊まりで」
「下心しかないでしょ」
「分かってんなら早く抱かして」
バゴッ!!!!
炸裂する衝撃音。
葵が天馬と京から同時に頭を叩かれた音だ、と気づいたのは数秒後だった。頭を抑えてうずくまる葵は一言も発していなくて、本気で致命傷っぽい。
「ごめんな、後でちょん切っとくから」と笑顔でフォローを入れてくる白藤天馬。何を?とは怖くて聞けなかった。
可哀想だけど、まぁ自業自得だしね……と呆れた視線で見下ろしていると。
「……でもさ、ヤクザの家にいるくらいなら俺の家に住んだ方がまだマシじゃない?」
葵が、うずくまったままぽつりとそんな言葉をこぼした。
……葵も、榛名優羽のこと知ってるんだ。
まぁ、メンバーに白藤天馬がいて、巫静琉にもお気に入り認定されている彼なら、事務所のパトロンである榛名優羽の存在を知っていても不思議じゃないか。
葵の言葉に、「それは否定できない」と悩ましげにため息を吐く天馬。
一気に車内の空気が重くなる中、私は恐る恐る、兼ねてから気になっていたことを聞いてみた。
