と、そんな私の横で、京は「俺だって本気の子にはひよっちゃうのー」とかほざきながら口を尖らせている。
その言葉が本当なら、さっきから車内が暗いのをいいことに恋人繋ぎしてくるのをやめてほしい。どう考えてもひよってる人の行動じゃない。
確かにこんな距離感じゃ付き合ってると誤解されても仕方ないよね……。
「でも良かったな〜葵。千歳がフリーなら、まだお前もワンチャンあるじゃん」
「は?言い方ウザ。てか俺は別にいいんだけど」
鬱陶しげに顔を歪める葵に、天馬はまたまた〜とニヤつきながらバックミラー越しに私と目を合わせた。
「千歳聞いて。コイツさ、共演者狙う時も大体千歳にちょっと雰囲気似てる大人しめの可愛い子ばっかいってて」
「それでいうと天馬も千歳とハグした〜とか変なマウント取ってきたけどね」
「俺が千歳可愛かったから口説こうかなとか言ったらガチギレしてきたくせに」
「……。そういえば千歳に言っとくことあるんだった」
これ以上殴り合っても墓穴を掘るだけだと察したのか、急に話題転換してスマホを操作し始める葵。
正直色々ツッコみたいところはあったけれど、何か言ったら芋づる式に聞きたくなかった情報が出てきそうなので口をつぐんでおく。
