さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



……。

……結局、フラグ回収してくるんですね……。


もう今日のミッションは完遂してあとは寝るだけだと思っていたからこそ、ショックが大きかった。

でもそりゃそうだよね、あの白藤天馬が何の目的も無しに私たち全員にご飯を奢りにくるわけないですよね。


しかも車という密閉空間にわざわざ呼ぶってことは、他には聞かれたくない重大な話ってことだろうし。

今回は一体どんな衝撃発言をかましてくるのだろうか。嫌だな、怖いなー……。

死ぬほど不安だったけれど、一度既読をつけてしまったので、無視をするわけにもいかない。

私は自分に気合いを入れるように、残りの烏龍茶を流し込み、ひとつため息を吐いた。


「……どっか行っちゃうの」

「お手洗い」


クッションを失い、崩れ落ちる京。彼の拗ねたような問いかけを適当に誤魔化して、私は重い腰を上げる。

どうか、車の中で待っているのが良いニュースでありますように……。

そんなことを一人願いつつ、私は緩みきった空気の個室を後にするのだった。