「いや聞いてほしいのが、二次の時の格差がとにかく酷くって。翔くんと冨上栄輔に死ぬほど尺取られたせいで僕の出演合計時間5分弱とかだったんですよ!」
「百回くらい聞いたわ」
「根に持ちすぎ」
篤彦、雪斗からのバッシングを受けつつ「でも〜……!」となおも続けようとする陽斗を遮るように、栄輔がちょっと笑いながら口を開く。
「陽斗くん尺取りたい尺取りたいってしつこすぎるから、俺と翔で裏でなんかあだ名つけてたんすよ。なんだっけ」
「シャクトリムシ」
「あっそうそうそう」
「ふざけんなお前」
「いや違う違う違う翔が言い始めたんですって!!」
「翔くんって品行方正に見えて意外と毒あるよな……」
呆れ笑い混じりの天馬の言葉に、私もこくりと頷く。
一見優しそうな翔の毒舌に一番心を抉られてきたのは間違いなく私だ。一切の反論を許さないド正論パンチでボコボコにされまくってきた私からすれば、虫呼ばわりされる方が愛があってまだマシに思える。
カメラが回っていないせいか、みんな遠慮なくぶっ込んだ話題を持ち出してくるので、個室は早くもカオス寸前状態。
どうなることかと思ったけれど──
カラカラ……と廊下側から近づいてくる微かな車輪音で、空気が変わった。
