一人そんな決意を固める私の向こうで、罪悪感そっちのけで実利に食いつく男が約一名。
「やっぱ楽曲制作ってそんな稼げるもんなんすか?」
兎内陽斗が、これまでにないほど瞳をキラキラさせて身を乗り出した。
この人、可愛いキャラで売ってるはずなのに、顔以外の何もかもが可愛くなさすぎて最近ブランディングが剥がれ落ちてきてるらしい。
まあ、この人ならそれすらギャップ萌えとして計算してそうで怖いけど……。
「すっごいよ。そろそろ脱退して不労所得者になろうかなって考え中」
「葵」
「とかね。冗談冗談。信用ないなー全く」
天馬にがっしりと肩を抱かれ、見るからにタジタジで清純派スマイルを浮かべる葵。
こうやって見ると、最凶問題児の鷹城葵がグループとして活動できてるのは白藤天馬の存在ありきなんだろうと思ってしまう。
そんな彼らの様子など微塵も気にせず、陽斗は「遼次から作曲習うのアリだなー……」と本気で悩み始めている。
その陽斗の言葉に、天馬がふと気づいたように口を開いた。
「そういや、その遼次くんとかそこら辺は落ちちゃったの?」
「はい。遼次、飛龍、明頼が落ちました」
「うわー、寂しくなるな」
「まぁ僕的には人数削ってくれるほど尺増えるからありがたいですけどね」
身も蓋もない発言で打ち返す陽斗。「陽斗くん元々尺あるくね?」と首を傾げる天馬に、ここぞとばかりに愚痴り始める。
