「陰口?」
「……ッッッ?!?!?!」
個室の入り口側から飛んできた、聞き覚えのありすぎる低音ボイス。
まさか……と冷や汗をかきつつ視線を向けると、そこにいたのは──
鷹城葵。
白藤天馬。
三次審査でお世話になったJACKPOTのメンバー二人が、こちらを面白がるような笑みを浮かべて立っていた。
……。
…………は?
「千歳ー、傷ついたんだけど。また家引きずり込んじゃうぞー」
「言われても仕方ねーだろお前は。てかさっさと煙草消せ」
「やだ」
「顔面に根性焼きしちゃうぞー」
「……」
何やら言い合いながら、遠慮なくツカツカと個室に入ってくる二人。
どちらもコートに身を包みバッグを引っ掛けていて、ちょうど今ここに到着したばかりのような格好だった。
大きめのマスクで変装しているのにも関わらず、ステージ衣装でも纏ってるんじゃないかと思うほどのキラッキラ芸能人オーラ。
全員完全オフモードでだらけていた空間に、一瞬にしてビリッと緊張感が走る。
「お……お疲れ様ですっ!!」
ほとんど条件反射のように立ち上がり、ガバッ!!と頭を下げる参加者たち。
私もそれに合わせて、戸惑いつつも頭を下げた。
正直、ラブホ在住締切クラッシャーに頭を下げる必要性は全く分からなかったけれど、ここはひとつ大人の処世術ってことで……。
