「ちょっ、千歳くん流石に席交換しましょ。こんな奴の隣は危ないです。ただでさえ昨日酷い目にあって精神ボロボロだろうにこれ以上危険に晒せない」
栄輔が、峰間京の手をぐぐ……と引き剥がしたままそう提案してくる。
すると、同時に天鷲翔からの視線が目に見えて鋭くなった。
な、なんで?席を交換したらダメってこと?確かに私が栄輔と席替えしたら物理的距離は遥風と近くなるけど……そこまで牽制する?
というかそれ以前に、席を移動すると今度は私は椎木篤彦と隣合わせになってしまう。峰間京と同等、いやそれ以上に気疲れしそうな位置だ。
油断した隙に飲み物に何か混ぜられそうで怖いし、できれば避けたい。
「……ここで大丈夫」
翔のプレッシャーと篤彦への苦手意識に押されて、ぽつりとそう答えた。
そうなると、当然調子に乗ってくるのは峰間京の方で。すぐさま私の肩に手を回して、勝ち誇ったように笑う。
「ほーら聞いた?お姫様は俺と離れたくないんだってさ」
「ち、千歳くんっ……峰間京に弱みでも握られてるんすか?卑猥な写真でも撮られました?!」
……栄輔の峰間京への認識が、さっきから必要以上にグロすぎる。なんか変な漫画に毒されてない?
確かに峰間京は大概おかしいけど、そこまでゲスい人じゃないし、ちゃんと人間らしいとこもあるからね。
言われた京本人もかなり心外そうで、呆れのため息混じりに肩をすくめた。
