「見てた?」
「バレた。恥ず」
私の言葉に、ちょっと顔を赤くして笑う栄輔。恥ずかしいのはこっちの方だ。必死にメニューを前に首を捻っている様をずっと見られていたなんて。
ちょっときまりが悪くなって俯く私に、栄輔は視線を逸らさないまま、声を落として話しかけてくる。
「だって今日の千歳くん、マジで可愛いから」
「え?」
「黒髪もめちゃくちゃ似合ってたけど、今の色だとふわふわした感じして可愛い。幼いっていうか、年下みたい」
「あ、ありがと……?」
……あの、さ。
本当に何???今日の栄輔。
こんなに可愛い連打攻撃してくる人だったっけ?今まで男相手だから遠慮してた?
可愛いの内容を事細かく伝えてくるあたりも良い彼氏の典型みたいなものだし……天然お姉さんキラー怖すぎる。
いつもにましてグイグイの栄輔は、攻めの手を止める気配はない。
「……てかずっと聴きたかったんすけど、シャンプーとかなに使ってるんすか?めっちゃいい匂い」
「えっと、なんだったかな。ちょっと待ってね」
遥風とか京とか、他にもいろんな人に聞かれてたから、最近ようやく調べたのだ。
検索履歴を遡れば、多分すぐに出てくるはず……あ、ほら、あった。
