怯えまくって脳内で言い訳を並べる私の背後で、京と栄輔がため息混じりに話す。
「なにアイツ?今の千歳悪くないでしょ」
「放っといて。翔も千歳くんのことになるとおかしいんだよ最近」
もうもはや栄輔に敬語すら使われていない京。
先輩に後輩扱いされず、後輩に先輩扱いされない峰間京って一体。
「ま、とりあえず俺らも座ろ。千歳くんこっち」
そう促す栄輔に頷いて、私はようやく席に着いた。
右隣に栄輔で、左隣は京。なかなか気まずい配置に居心地の悪さを感じつつ、それを振り払うように、メニューに視線を落とす。
他のみんなは慣れているのか、サクサク注文を決めていくのに対して、私は見れば見るほど、完全に迷子になっていた。
必死に写真を見比べるけれど、正直、どれも同じに見えてしまう。きっと私の貧しい味覚じゃ違い分からないと思うから、一番安いやつでいいんだけど──
その一番安いやつが見当たらない。もれなく全部高い。オレンジジュース900円って、一体どんなオレンジ使ってるの?
……ダメだ諦めた。他に任せよう。
庶民の限界を感じながら、今度は仲間探しを試みる。栄輔なら、私と同じように固まっているんじゃ無いのかな。
一緒に共感し合いたい……そう思って、ちらりとさりげなく視線をやると。
バチッ、と視線が合った。
……え?
