……うん、分かった。
栄輔が緊張してるのは分かったよ。
けど、けどさ。
どう考えても──
なんか、今日あざとくない?
自分から心音聞かせにくるあたりもおかしい。なんだ?女バレしたから、遠慮なく口説けるようになった?
今まで誠実な後輩だったはずなのに、今の彼はもう完全に先輩キラーの才能を露出してきてる。そして本人にそこまでその自覚が無さそうなのもタチが悪い。
こういう距離感が増えると、この子も遥風みたいに炎上しそうで危ないな……。
と、そんな危機感を抱く私に。
「てか……千歳くん、って呼び方変えた方がいいのかな」
ふと気づいたように、ボソリと呟く栄輔。
「なんで?」と聞き返すと、栄輔はちょっと周囲を確認するみたいに視線を走らせ──
それから、すっ、と耳元に顔を近づける。
「だって、嫌じゃないですか。その……心も体も、普通に女の子なんでしょ?」
遠慮がちに囁かれたその声に、思わず息を呑んだ。
そんなことにいちいち気を遣って聞いてくれるあたり、本当に優しいな。
今まで女バレした時は、脅されるか襲われるかしかなかったから新鮮だ。なんだかほわほわした気持ちになって、自然と口元が緩む。
