「まあ、これが勝ち組の余裕ってわけです」
「あのな峰間京、勝ち組っていうのは最低年収一億超えの俺みたいな人間のことを言うんだよ」
「え、でも静琉ちゃんの場合酒と女とギャンブルに消えちゃうじゃん」
偏見すぎるでしょ。
いくら彼がヤニカスだからって、腐ってもCEOなんだから、そこまで爛れた人間なわけ……と、そんなことを思いながら何気なく静琉に視線を向けると。
ぎくり、という音が聞こえてきそうな図星顔で固まっているところだった。
…………ダメだこの反応は本当にやってるやつ。この人、カス要素フルコンプして先進国の資産家特権を味わい尽くしているとんでもない大人だ。
静琉は数秒ほど、なんとか否定しようと口をパクパクさせていたが、結局言葉が見つからなかったらしく。
諦めたようにドサッとデスクチェアに身を投げ、投げやりに言った。
「……もういい。明日年収一億の力でファイナリスト全員に焼肉奢る予定だったけど、そんなこと言うんだったら峰間京だけは留守」
「いっやー静琉さんガチカッケェっすよね!!」
凄いね?
食い気味で秒速手のひら返しをぶちかました峰間京に、呆れを通り越して感心してしまった。肉ごときにここまで前のめりで尊厳捨てられるとは。
京は先ほどまでの小生意気な態度をかなぐり捨て、満面の笑みでわざとらしいヨイショを連打しまくる。
