「あーなんかそれルシからもらったんだよな今日」
ルシさーん……!!!!
思わず心の中で絶叫してしまう。審査員として来るって聞いた時から警戒はしていた。
でも、結局終演後にスケジュールが詰まってるからって挨拶もせずに帰ってって……うわー良かったセクハラされなかった、って安心してたのに。まさか、こんなとんでもない置き土産を残して行きやがったとは。
京の視線が、ゆっくりとコスチュームから私に移動する。
その目には、明らかな期待の色。
……やめて。
「千歳」
それ以上何も言わないで。
「──着て♡」
「無理っ!!!」
今日一で大きな声が出た。
万が一受け入れたりしたら、一生ネタにされるだろうから純粋に恥ずかしい。
加えて、これからの私のミッションは京たちの依存を弱めることだ。それなのに、わざと異性だと意識させるような真似をしてどうする。必死に拒否る私だったけれど、空気を読まずに、静琉がさらっと余計な言葉を続ける。
「あぁ、欲しいなら全然あげるけど」
「いらな「ありがとうございますっ!!」
「ねぇふざけないで」
慌てて京の手からコスチュームを奪おうとするけれど、ひょいっと高く掲げられれば当然手が届かない。一応厚底は履いているけれど、それでも身長差は充分だ。ムッとして睨んでしまう私を、京はけらけらと楽しそうに笑いながら見下ろす。
