「……で?用事はこれだけっすか?」
静琉はその言葉に「ああ」と曖昧な声を漏らすと、散らかり切ったデスクの下に潜り込んで何やらガサゴソと段ボールを漁り始めた。
「二人に渡しておくものがあったんだよ……これじゃない、これでもない」
ぶつぶつと独り言を呟きながら、ポイポイとデスク上に謎のガラクタたちを放り投げていく静琉。
ああ、ただでさえ汚いデスクがさらに悲惨なことになっていく……出したものはちゃんとしまってよ、と思わず拒否反応が出てしまう。
と、そんな私の横で、京はむしろ興味深そうにデスクに並べられたガラクタの山を観察していた。
「社長といえどくだらないものたくさん持ってんだね……ん?」
ゆっくりと巡っていた京の視線が、ある一点で止まった。
ガサッ、と音を立てて、何かが拾い上げられる。私はそれをみて、思わず絶句してしまった。
「これなんすか。私服?」
そう言って京が静琉に突きつけたのは……黒とピンクのフリルたっぷり猫耳メイドコスチューム。
ちょっと待って死ぬほど見覚えがある。最悪だ。
冷や汗を滲ませる私をよそに、静琉は相変わらず呑気な口調で答えた。
