「千歳も分かってんでしょ?」
「……何を」
「俺がちゃんと弁えられるって」
……その言葉を聞いて、思わず黙り込んでしまう。
確かに、今分かりやすく炎上してるのは遥風だけ。京はプライベートでめちゃくちゃ距離近いけど、一応放送される映像の中では一定の距離は保っている。つまり、京にはカメラがある場所とない場所とでちゃんと態度を使い分けられる理性があるってことだ。
「……弁えてる人は、付き合ってない人にキスしません」
「付き合ってない男と寝た女の子に言われたくないですね〜」
痛いところを突かれ、何も言えなくなってしまう。
そんな私の沈黙を納得だと受け取ったのか、京はふっと甘やかに目を細め、そのまま私の顎を軽く持ち上げた。
……あ、キス、される。
押し返すべき?でも押し返したらまた京を傷つける。けど、カメラに映らないからってこれを許すのは色々マズい。
どうしよう、どうしたら……と、頭の中がぐちゃぐちゃになったまま、目を瞑って硬直することしかできずにいた──その時。
ガチャッ。
突如、社長室の重厚なドアが開いた。
