「私とあんまり距離が近いと、京のファンが過敏になるでしょ。ただでさえ熱量高いファン多いのに……私のせいで京本人に被害が及んだりしたら嫌だし」
嘘はついていない。私の本当の気持ちだ。
京の愛を受け取りきれずに息が詰まりそうになっていたのは事実だけれど、それは敢えて伏せて、京を救える言葉だけ選ぶ。
ずるいかもしれないけど……多分、これが今の私たちにとって一番いいと思うから。
──京は、私の言葉を聞いて、しばらく黙っていたけれど。
やがて、すぐに。
「……はっ」
息を漏らすみたいに、小さく笑う声。
同時に、今までの張り詰めた雰囲気が嘘みたいに、その表情が柔らかく崩れた。
やっと息ができた、とでも言うように。
「何……そんなこと?俺のこと大好きじゃん」
やさしー、なんて茶化すように言いながら、私の頭を優しく撫でてくる京。
けれどその声音には、明らかに自分の居場所を取り戻した子どもみたいな安堵感が滲んでいた。
『良かった、まだ捨てられてない』
そんな言葉が聞こえてくる気がして、胸がちょっと締め付けられる。
