さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



なんか、空気が……。


気圧されてしまって硬直する私に、京はふっと首を傾げて甘やかに微笑む。


「……その前に、一個聞いていい?」


口調は穏やかだ。表情も笑ってる。なのに、三次審査の危うい京を彷彿とさせるようなオーラ。

嫌な予感に、言葉を詰まらせてしまう。

そんな私を前に、京はニコニコと笑ったまま──


「……なんで最近ずっと、俺と二人きりになるの避けてるの」


ガッツリ詰めてきた。


……や、ばい。

避けてたの、めちゃくちゃ根に持たれてる感じだ。これ多分、答え方間違えたら詰むやつ。


本能的にそう察知した私は、内心冷や汗ダラダラで頭をフル回転し始める。

隙あらば襲われそうで怖かったからです、とか馬鹿正直に答えるわけにもいかないし……何か別の言い訳はないだろうか。

傷つけず、怒らせないのに最適な答えは……?


そうして必死に言葉を捏ねていた私を、京は見透かしたみたいに──

ちょっと哀しそうに笑った。


「……怖い?俺のこと」

「っ……」


ドクン。

心臓が、高く跳ねる。