……そうこう考えているうちに、先ほどまで完全に負のループに陥っていた思考が、少しずつ現実の輪郭を取り戻してゆくのがわかった。
気づけば、胸の奥に溜まっていた重苦しさもだいぶマシになっていて。これも、目の前の彼らが、何事もなかったみたいにいつも通りのテンションでいてくれるおかげだ。それが気遣いなのか、無意識なのかはわからないけれど、今の私にとってはそのいつも通りがとてつもなくありがたかった。
「……あれ、そういえば明頼は?」
ふと気づいたように、遼次が言う。
私も反応して顔を上げた。
明頼……二次も三次も同じグループで、何気に一番話す時間が長かったかもしれない参加者だ。できたら、彼がここを離れる前に一回話しておきたい。今までありがとうって、一言でも言わせてほしい。
と、そんなふうに考えていたのに──
「アッキーなんかもう帰ってたよ?二時間前くらいに」
さらりと告げられた陽斗の一言に、表情が固まった。
……え。
帰った……?
しかも二時間前なんて、順位発表の収録が終わってすぐじゃん。荷造りとか色々あっただろうに、早すぎない……?
と、そこまで考えて、私はハッと思い当たった。
明頼はもしかして最初から──
自分が落ちることを確信してたんじゃないだろうか。
