そして、その隣で。
陽斗が大きなため息を吐き出し、崩れ落ちるように頭を抱える。
「……ほんっとにさぁ……」
張り詰めていた糸が、ぷつんと切れたみたいに。
ぐしゃ、と乱暴に自分の髪をかき上げながら、小さく、掠れた声を吐き捨てる陽斗。
いつもカメラの前では計算し尽くされた態度を崩さなかった彼が、ここまで感情を露わにするのは珍しくて、胸の奥がギュッと痛くなる。
陽斗と雪斗は、双子なのに、いつも噛み合わない。
どんな手を使ってでも勝ちに行く陽斗、一歩一歩真面目に積み重ねる雪斗。
一方は主張の弱い片割れに苛立ち、一方は奇想天外な片割れに振り回されて。
お世辞にも相性がいいとは言えないけれど──
心の一番深いところにある動機は、一緒。
彼らの母親がどうして若くしてこの世を去り、その際にどんな言葉を残したのか、私はまだ何も知らないけれど。
きっとそこに、私には想像もできないほど長く、重い物語があって──
二人はその物語を、それぞれの方法で抱え続けているんだろう。
「……陽斗。通った、俺」
「……うっさいな……見りゃ分かるし」
もう普段の可愛いキャラなんかかなぐり捨て、素の態度の悪さそのまま吐き捨てる陽斗。
……この二人が引き裂かれずにファイナルに残れたのは、本当に良かったと思う。
けど、雪斗が通過した、ってことは──
