さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



タートルネックにピシッとしたロングジャケットを羽織り、髪も綺麗にセットした『表向き』の顔。あのダル着ヤニカス汚部屋おじさんをここまで磨き上げるなんて、やっぱりプロのスタイリストさんって凄い。

彼は、いつもの寝ぼけ眼とは似ても似つかない鋭い視線をカメラに向けながら、ハンドマイクを唇に寄せた。


『これより、四次審査の順位発表を行います』


緊張感がいっそう濃くなり、空気がズンと重く肩にのしかかるような錯覚。

自分のことではないにも関わらず、呼吸が自然と浅くなり、心臓が痛いくらいに早鐘を打ち始める。


『今回は、衣装、編曲、そして舞台構成すべてを参加者自らが手掛けました。なので審査においても、制作過程における個々の貢献度、そして実際のステージ上で示された存在感を同等の比重で評価対象としています。厳正なる審査の結果、ファイナルに進む参加者の人数は──』


舞台上のスクリーンが、鮮やかなエフェクトと共に切り替わってゆく。

この数次第で、誰が生き残り誰が落ちるか大体分かると言っても過言ではない。

どうかできるだけ多くあって……!!

祈るような気持ちで固唾を飲む私の前に表示された数字は──