「あーーもうなんで日本は同性婚できないんだよキッショい国!!」
「仮にできてもお前は選外やろ」
「うっせボケカスアホハゲうんこ!!キャーー千歳くん女神ーー♡♡」
「情緒どないなっとんねん」
これホントに順位発表前で合ってる?自分が落ちるって思ってないのか、はたまた落ちる覚悟で最後に好き放題騒ぎ散らかしてるのか……いずれにせよ、緊張感が無さすぎる。
騒がしいのも最後になるからしみじみ受け取れるのかな、とか思ってたけど、日常すぎて気が抜けてきてしまった。もうちょっと静かに浸らせてください……。
と、そんなこんなで、ほとんど動物園状態と化していたスタジオだったけれど。
ふっ……とスタジオの照明が落ちると、流石に全員が口をつぐんだ。
緩んだ空気が一瞬にして払拭され、ぴしり、と氷が張ったような緊張感が空間を支配する。
当然だ。ここまで来てしまえば、もう誰も油断なんてできない。
これまでずっと上位をキープしてきた翔や栄輔や陽斗なんかも、今回ばかりは流石に緊張した面持ちでステージを見つめている。
約一名、既に通過が確定している男はいるけれども、彼も緊張と不安の入り混じった完成度の高い表情演技を見せていた。ちょっと腹立つな。そんな殊勝なキャラじゃないでしょ、あなた……。
と、そんな張り詰めた静寂の中で。
暗闇を裂くように、鋭いスポットが落ちた。
光の中に照らし出されたのは──
巫静琉。
