さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



今回の席も、例によってグループごとに分かれているらしい。スタジオ内には参加者とスタッフたちの張り詰めた緊張感が漂っていて、自然と背筋が伸びてしまう。

自分の合否が確定しているからといって、決して緊張しないわけではない。むしろ、自分以外の参加者がどうなるのかが心配すぎて、さっきから全く落ち着けずにいる。


実力者揃いの四次審査、誰が残り誰が落ちるか予測できないこの状況。みんなピリついてるだろうし、今は不用意に話しかけない方がいいよね……。

と、そんなことを思いながら自分の席に腰を下ろした──


その時。



「「「千歳ーー!!」」」



突如、背後から示し合わせたようなハモリで名前を叫ばれ、ビクッと肩が跳ねた。


な、何……??

恐る恐る振り返ってみると、その声の主は。


固まって座る『Blazin’ Roulette』グループの京、飛龍、明頼の三人だった。


「ギャッ、こっち見たッッ」

「ほんまに今日可愛い!!結婚してーー!!」

「俺の嫁世界一かわいいよ♡」


ゴロゴロと椅子から転げ落ちる明頼、ぶんぶん手を振ってくる飛龍、ウザすぎる投げキスを飛ばしてくる京。

……明頼はいつも通りだからノーコメントとして、他二人まで乗っからないでいただきたい。ピリついてるどころか全員いつも以上にテンション高いのは一体どういうこと?

と、そんなカオスグループの中で一人「何これ?怖いねんけど」と表情を引き攣らせる篤彦。

私の両隣に座った遥風と栄輔まで「汚ねぇ視線寄越すな」「死ね!!」と応戦し始めてしまい、本格的に収拾がつかなくなってきた。最後だからちょっとしんみりした気分だったのに、ぶち壊しだ。