──シャン…………。
清涼な神楽鈴の音が、静寂を裂いて響き渡る。
それが、曲調変化の合図だった。
琴の繊細な旋律に──
雅楽を思わせる打ち鳴らしが、力強く重なる。
千歳くんと栄輔くんは、照明の届かない闇へと静かに紛れて。
入れ替わるようにして、残された翔くんと遥風くんの二人が、ゆったりと、確かな威圧感を持って前へと踏み出す。
ドンッ……という鼓の打ち鳴らしと共に、二人はふっと顔を上げた。
──ダンスブレイク。
テンポの速い囃子の拍子に合わせた、並外れた技巧の求められる超高難度のコレオ。
しかし、始めのほんの一拍だけで、その場にいる誰もが理解する。
この二人には──それを余裕で魅せ切る力があるということを。
まるで、鏡に映したかのようなシンクロ。
腕の位置、角度、ステップのタイミングまで、全てが完璧。
その空間だけ重力が無くなったかのような、軽やかな身のこなし。
しかし、力強い拍では、きちんと音を取る。
そんな硬と軟の強弱の付け方まで、まるで一人の人間が踊っているのかのように完璧に合わせてきていた。
