歓声……というよりむしろ、断末魔に近い。少なくとも私のはそうだった。ふたりの禁断の時間を覗き見ているようなとてつもない背徳感に、散々課金したはずの喉が瞬殺されるレベルのバケモノ絶叫を上げずにはいられなかった。
なななななんなんですか?今この地球上で一体何が起こっているんですか??
思考が全くもって追いつかないまま、ふっ、と会場が暗転。
千歳くんと遥風のシルエットは無慈悲にも消え去ってしまった。
ふざけるな!!今すぐ明かりをつけて続きを見せろ!!!!ここまでやっといて何も見せないで帰らせる気か!!!と、ここが健全なオーディションの場であることも忘れて荒ぶってしまう私。
まあ、どうせ放っておいても然るべき界隈の職人たちがこのコンセプトを使ってナニカを書き上げてくれるだろうけど……何とは言わないけどね。
と、そんなオープニングの凄まじすぎる衝撃からまったく立ち直れる気配がないまま。
ステージ上に残る色香と毒気を薙ぎ払うかのように──
ブワッ、と鮮烈に雪崩れ込んでくる繊細な琴のグリッサンド。
バックスクリーンに一瞬にして広がる花吹雪、照明によって眩く映し出されるステージ。
胸を痛いほどに締め付けるような、繊細な旋律と共に──
ステージのひな壇の頂点、最も高い場所。
陽光を透かしたような印象の衣装を身に纏った、栄輔くんが照らし出された。
