さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



ドクン、ドクン、ドクン。


心臓の脈打つ音だけが、やけに大きく響く。


興奮と緊張の混じった数秒──

永遠にも感じられる静止の直後。


映像が、再び動き出した。

真っ暗な背景の中、ひら……と舞い落ちてくる淡い色の花弁。


優しい風に吹かれるように、宙を揺蕩った後──

落ちていき、やがて見えなくなる。


そして、張り詰めた静けさの中──



『散るために咲く花があるなら、恋もまた、終わるために始まるのでしょうか』



黒い背景に浮遊するように、一文字ずつ、筆文字の軌跡が浮かび上がった。

映画『桜嵐』を象徴するようなキャッチコピーが、やがて滲んで消え──


再び闇と静寂に包まれる会場。