遥風はトントン、と自分の隣の床を叩いて千歳くんを座らせると、そのままスマホで練習動画を確認し始める。最初はなぜか微妙な距離感があったけど、すぐに遥風が「見えねぇだろ」と言ってぐいと千歳くんの肩を抱き寄せた。
ギャッ?!?!?!
ギョッ?!?!?!?
ギェーーーーーーーーー!!!!
身体!!身体ぴったりくっついてますよ!?!?!皆戸くんったらなんつーナチュラル&スマートな彼氏ムーブをかましてくれてんのですか!!!
……ってか、最近ちょっと考えてたんだけど、皆戸遥風ってもしかして女の子には普通に優しいタイプ……??
激怖オーラ纏ってるから孤高のヤンキーかと思ってたけど、千歳くんへの甘いスキンシップが手慣れすぎていて流石に女たらし疑惑が出てくる。この感じでプレイボーイとかだったら女の子たちは確定でイチコロでしょうねッ!!!
よく見ると、二人の服とか壁時計の時間とか、さっきの翔のブチ切れシーンより前だったりして『ツギハギ編集』の匂いがプンプンするけれど、そんなの今の私には些細な問題だ。
遥千ケミが、この至近距離で、この甘い空気感で話していた時間がこの世に実在した。その事実だけで、全細胞から感謝が溢れて止まらない。誠にありがとうございました。死ねます。いやでもまだ死ぬわけには。
と、カオスな思考に陥る私をよそにカットは切り替わり、千歳くんのインタビューシーンへ。
