『助かりました、本当に。千歳くんはやっぱり、グループを安定させる上で欠かせない存在ですね』
はは、と爽やかに笑う天鷲翔。その完璧な微笑に、軽率に初恋が強奪されそうになる。おっと危ない、気を確かに。私が好きなのは千歳様だ。どれだけお前がメロくて他担狩りで悪名高かろうが決して揺るがないからな。
『本当に残ってほしいです。だからこそ──これからの練習で妥協するつもりは一切ありません』
いつも通り、落ち着いた声音。だけど、どこか冷たくも聞こえる、厳しい宣言が落とされた。
……うーん。天鷲翔が妥協しないって言い出したら、なんかめちゃくちゃ怖くなりそう。千歳くんに必要以上に厳しくするのは可哀想だからやめてよ……いや、でもそれほど千歳くんのポテンシャルを信じてるってこと? 期待の裏返しなら、オタクとしてはむしろ喜ぶべき状況なの?でも、でもなぁ……。
と、そんな私の一抹の不安は、次のカットで予想以上の熱量と絶望を伴って現実と化す。
『お前今フォーメーション崩してんの、分かってる?』
『あーだから体幹弱いんだよな。頭位置固定しろって』
『まだ振り入れ終わってないの本気でヤバいからね。頼むよマジで』
ひぇぇぇぇぇぇえええ怖すぎぃぃぃぃいいいいい!!!!!!
