大熱狂の中で、凛也はマイクを取って軽くコメント。
『SiESTAの乙瀬凛也です。皆さん、きっと今日のこのステージめちゃくちゃ楽しみにしてきましたよね?』
彼の問いかけに、割れんばかりの大歓声が即座に応える。もちろん、私も喉が張り裂けるほど叫んだ。楽しみどころじゃないでーーす!! 今日このときが、私の人生における山場でーーーーす!!!
『……ふふ、僕もです。今回のステージ、今までとは比べ物にならないくらい凄いんですよ。みなさん失神しないように頑張ってくださいね〜』
冗談めかして首を傾げるその姿に、私は本気でぎくりとしてしまった。審査員紹介の時点で既に過呼吸気味の私、千歳くんが出てきた瞬間、本当にショック死してしまうのではないだろうか。……まぁ、推しの輝きに焼かれて死ねるなら、オタクとして本望ではあるか。
そんな謎思考に陥っているうちに画面は切り替わり、今度は鼓朱那さんが映し出された。 番組開始当初は鮮烈なレッドだったボブヘアが、少し色落ちして柔らかなピンク色になっていて、めちゃんこ可愛い。
『はい、鼓朱那でーす!会場の熱気が既にすごくて、私もすーーっごくワクワクしてます。皆さんちゃんと声出す準備できてますかーー??』
できてまーーーす!!!! 今日この日のためだけに、一週間前から龍角散をがぶ飲みし、数万する加湿器をポチり、売れっ子声優みたいな喉の管理生活を送ってきましたよーーー!!!!!
