『EMERGENCE PROJECT Season3 四次審査まで足をお運びいただき、ありがとうございます。EMERGENCE PRODUCTION代表取締役兼審査員長を務めます、巫静琉です』
いつも画面越しに聞いていた、カンナさんの落ち着いた低めの声。
あぁ、声までスパダリすぎる。きっと私生活も完璧なんだろうな。朝は挽きたての豆でコーヒーを淹れ、キッチンでは無駄にお洒落な名前のイタリアンをさらっと作ったりするんだろうな。リビングにはクソデカいゴールデンレトリバーが寝そべっていて、家全体がモデルハウスみたいに綺麗な空間に違いない。 夢広がる……。
と、甘美な妄想に浸っている間に、カンナさんは形式的なオープニングを終え、場面は審査員紹介へと移っていた。
『──さて、それではまず、本日審査いただく審査員の方々を紹介していきましょう』
そんな静琉の言葉と共に、今までステージ上を映し出していたモニターが切り替わる。
まずスクリーンに映し出されたのは──
審査員席に腰をかけ、優雅に足を組み、甘やかに微笑んでこちらに手を振る超絶イケメン。
乙瀬凛也だ。
うっひょおおおおお…………!!!!
その淡い茶髪に、白シャツにベージュのカーディガンが映えて、もはや天使!!!!デビューから10年経つと言うのに、衰えの片鱗すら見せない神に愛された完璧な美貌……!!!!スクリーン越しなのにいい匂いが漂ってくるぜ!!!!
音楽番組、バラエティ、CMなどで一日一回は目にするその甘い王子様ルックスを前に、私は推しの登場前にも関わらず既に過呼吸になりそうだった。
