さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



と、一人そんなことを考えながらも、私は強靭な精神力で美女たちのキラキラオーラを払いのけ、なんとか現場に到着した。

げっそり……単独での初参戦、キツすぎる。
こんな時日茉里がいてくれれば心強かっただろうに──あいつガッツリ落選しやがったからな、と恨めしげに彼女の絶望の顔を思い出す。


『親の携帯、弟の携帯はもちろん、友達やバ先の先輩後輩店長まで全部の端末借りたのに〜……』


絶対周囲から陰で変なあだ名つけられてるよあの子。しかもそこまでしたのに全滅すんなよ。古参ならではの経験豊富さを活かして初陣の私を導いてくれよ……。

と、ないものねだりをしていても仕方がない。私は人混みの中をかき分けるようにして、マップを見ながら会場入り口へと向かった。


「チケット確認列、こちらでーす!最後尾こちらでーす!!」

「QRコードご準備くださーい!お手元に出してくださーい!!」


ハリのある誘導スタッフの声が飛び交い、その声を掻き消すように、あちこちから色々な会話が混ざって聞こえてくる。


「えマジ無理なんだけどうち今日ビジュ死んでんだけど」

「もうつけま取りたい」

「待って待って一旦ビーリアル」

「……らて@低浮上さん?!えーやっと会えたー!」

「えッ待ってX更新されてる!!」


最後のその一言が耳に入った途端、ハッとしてほとんど反射的にマップアプリを閉じXを開いた。

本番前に供給?!そんなもの、参加者たちのオフショットに決まってるじゃねぇですかッ!!

慌ててTLを確認してみれば、すぐにエマプロ3期の公式ポストの表示が。